退任のご挨拶(日本イヌワシ研究会 第3代会長 小澤 俊樹)

お世話になった皆様

こんにちは。日本イヌワシ研究会、第3代会長を務めさせていただきました小澤俊樹です。

この度、2020年12月31日の今任期満了をもって、 7期14年務めさせていただいた会長を退くことにいたしました。

これまで、皆様方とイヌワシや環境に関する様々な場でお仕事をご一緒させていただきましたが、イヌワシ中心の私の考えに、強引さ、時には憤りまでお感じになられた方もいたことと思います。そんな私と14年間も様々な場でご一緒頂いたこと、そして前を向きイヌワシを守るため共に戦って頂いたことに本当に感謝しております。今後、当会の会長は退きますが、これまで以上にイヌワシが求めていることは何かを第一に考え、確実にイヌワシ保護に繋げられるよう活動し、生きて参りたいと思います。皆様方には今後ともご指導、お力添えいただければ幸いです。

日本イヌワシ研究会の会長就任時、私は当時データ数の大きく落ち込んでいたイヌワシ全国調査(生息・繁殖状況調査)の復活(充実と安定)を目標に掲げました。そして、日本イヌワシ研究会全会員の想いと根性、努力が一つとなり、現在の様な安定したデータ提供ができるまでとなりました。日本イヌワシ研究会では、イヌワシの全国生息数、繁殖成功率、消滅つがい数など保護を考える際に必要不可欠なデータを世に出すことを一つの使命として活動しております。このイヌワシのデータは、国内の他の生物では考えられないほど高い網羅率で皆様方にデータ提供できていることと思います。イヌワシは、森林生態系を維持するためには不可欠な生き物です。そのイヌワシは、元々国内に340つがい程しかいなかったと考えられていますが、ここ30年ほどで120つがいが消滅するなど、とてつもないスピードで数を減らしております。

皆様方には、どうかこの日本イヌワシ研究会の発表するイヌワシデータに今後も注目いただき、イヌワシの現状を正しく判断し、生息地保全に繋げていただきますよう、お願い申し上げます。

2021年1月からの新会長には、現副会長の須藤明子氏が就任することが決まりました。同氏は、フィールドでの経験も豊富であり、獣医師としての視点でもイヌワシ、そしてイヌワシを取り巻く環境保護に力を発揮できる人物です。そんな行動力のある新会長率いる日本イヌワシ研究会を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

最後になりますが、これまで日本イヌワシ研究会、そして会長としての私を支えてくださった皆さま、14年間本当にお世話になりました。ありがとうございました!!

2020年12月31日
日本イヌワシ研究会 第3代会長 小澤 俊樹